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2015/02/28

大切な人を自死でなくし のこされた子どもへの精神的なフォロー




こんばんは、

リフレーム・カウンセリングルームの平野 直美です。


さて、私が昨年とても嬉しかったことのひとつが

プレイセラピーを通して、お子さんと関わらせて頂けていることです。


先日、こちらで「お子さんのカウンセリング・プレイセラピー」についての

ご案内をさせていただきました。

今日は参考図書を用いて、

大切な人を亡くし、のこされたお子さんのこころのケアについて

広く世の中に知っていただき、またこちらを訪れて下さっている皆さまと

一緒に考えていけたらと思います。



参考図書: 家族の自殺 悲しみの向こう側 ~ひとりの遺族の手記~ [新書]
    FCCNカウンセリングセンター 阿部 ゆかり先生:著






 ここから著書の内容です↓



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「子どもへの精神的なフォロー」





大人にとっても大切な家族の自殺は大きなショックを生み、

通常の精神状況ではいられないのは当然のことです。

今の日本の現状では家族への精神的なフォロー自体

しっかり確立しているとはいえません。

しかし家族の中に子どもが存在している場合は応急処置であったとしても

配慮が必要であると思います。

子どもは心身共に未成熟である分、心身の成長期ではダメージが

深刻になる可能性もあります。

大人として弱い立場の子どもたちに、精神的ダメージを少しでも軽くするための

配慮は可能であると考えています。

時間が経っていても遅すぎるということはありません。

何もフォローしないより遥かに良いと思います。

この機会にどの様なことがフォローのポイントかご紹介させて頂きます。

 大切な人を自殺によって亡くし遺された子どもに対し、ご家族や周りの大人が

出来る精神的なフォローのひとつは、

「子ども自身の感情を表現させてあげること」だと思います。

その感情は移り変わっていくものでもあります。

最初は麻痺かもしれませんし、困惑かもしれません。

悲しみかもしれませんし、怒りかもしれません。

個々の子どもたちそれぞれの感情を十分感じさせてあげることが

大人の役割だと思います。

元気にさせようとか勇気を与えようとしなくていいのです。

相手を無理に元気づけようとする行動は実はこちら側が

相手の辛い感情を受け止めきれていないだけのことなのです。

子どもには力があります。

それを信じてあげて下さい。

子どもたちの感情を良い方向へ変えようとしたりする必要はないのです。

それらの行動は相手を受け止めずに変えようとし、

かえって傷つけることになる可能性があります。

ただ感情を感じさせてあげる。

受け止めてあげる。

傍にいてあげる。

感情を感じているのを見守ってあげる。

これだけで本当に「寄り添っている」ことになるのです。

悲しんでいる子には「悲しいよね」、

怒っている子には「怒っちゃうよね」、

何も感じないという子には「何も感じなくなっちゃうね」、

困っている子には「困っちゃうよね」。

これで十分受け止めて寄り添っていることになるのです。

周りの大人にそのままの感情を変えられることなく、

受け止めてもらえた子どもは本当の意味で安心を感じられます。

悲しい時に悲しんでいいのだ。

怒りを感じることに怒ってもいいのだという

本当の意味での「心の健康」を与えてあげて下さい。

悲しい時に泣くことを許してあげて下さい。

大切な人を自殺によって亡くした悲しみを、

あまりに辛いことだからと大人が勝手にその悲しみから遠ざけてしまうことは、

その子どもの大事な喪失のプロセスを辿らせずに取り上げることで、

かえって精神面での予後を悪くしてしまう可能性があることに気づいて下さい。

取り上げられた悲しみ、流されなかった涙、無理やり止められた涙や怒りは、

その後「うつ」というサインで出てくるかもしれないことに気づいて下さい。

子どもは力を持っています。

周りの大人に自分のありのままの感情を受け止めてもらえた子どもは、

次に進むことが出来ます。

大人にとって自分も家族を自殺で亡くして辛い状況である時に、

子どもの感情を目の当たりにすることは

想像を遥かに超えて辛い作業になるかもしれません。

あまりに辛すぎる時には子どもを扱う心理専門家の力を借りてもいいのです。

家族の自殺を経験した子どもの心理的なケアをしている機関や

専門家を見つけてサポートを受けましょう。

 精神的なサポートのもう一つ大切なことは、

家族の死に対する誤解を解くことです。

そのためには自殺であることを隠さず伝えましょう。

子どもに自殺だなんて説明することは身が引き裂かれる思いがすると思います。

伝える大人側にも相当な勇気が必要になるでしょう。

伝えるのがあまりに辛く何とか嘘でごまかしたとしても、

その嘘は必ずバレます。

家族に嘘をつかれて、外部から本当の事を聞かされた時の

子どもの傷つきは深くなる可能性があります。

もしどうしても無理な場合は少し落ち着いたら

話すことを約束しておくのもいいでしょう。

嘘をつくよりもよいと思われます。

時間が経っても無理だと感じられる場合は心理の専門家に

相談しながら決めていくことも出来ると思いますし、

同席してもらって伝えることも可能だと思います。

自殺という死に対して後ろめたい気持ちになったり、

子どもに隠したくなるのは当然の感情です。

一つの提案ですが、その場合自分の正直な気持ちを誠実に

そのまま伝えてみるのも良いと思います。

例えば、「自殺は良い解決策だとどうしても思えない。

なので○○が自殺してしまったことはとても悲しいしショックだ。

自殺してほしくなかった」

この説明だと「自殺した」というだけの説明では不十分であることが

分かって頂けると思います。

こうした誠実な説明によって周りの大人がしっかりと自殺して欲しくないという

気持ちを表明することができると思います。

家族の自殺を説明してしまうことで子供に辛い時には自殺してもよいのかと

思わせてしまうことになると感じる部分もあると思いますので、

このようにしっかりと自殺して欲しくなかったという意思表明をすることは

大切になってくると思っています。

直面するのがとても辛いので、ついうやむやにしてしまったり、

なかったことにして触れないように、

できればしたくなるのは当然の反応です。

しかしそのことがかえって子どもに自殺という手段を許容してしまうことになる

可能性はあると思います。

もう身近な他の誰にも自殺して欲しくはないですよね。

次に子どもに死の説明をする上で一番注意が必要なことは、

自殺の原因が自分にあるのではないかという

子ども自身の誤解を解くことです。

その際に自分のせいかもしれないと感じる気持ちを

まず受け止めてあげて下さい。

「自分のせいかと感じてしまうんだね」で十分です。

その後は優しく説明をしてください。

「あなたのせいではない」というようなことです。

子どもが理解できる言葉と内容で行なえると理想的です。

その際に家族が「私のせい」だというような事を言ってしまうのも

避けた方が良いと思います。

家族それぞれが自分のせいだと感じてしまうのは自然な反応ですが、

ひとまずここで子どもに説明する際には横に置き、後で自分の心のケアは

何かしらの形で受ける必要があるかもしれません。

または「私も同じ様に自分のせいだと感じてしまって辛い」と

伝えることも誠実だと思います。

家族でこの死に責任を感じて辛いという気持ちを共有しあうことも家族の絆や

家族間のいたわりの気持ちを考えた時に意味を持つと思います。

何も言わないまま家族それぞれが自分のせいや誰かのせいだと

感じているのでは家族がバラバラになっていく可能性があります。

辛い作業になりますが勇気を持てるといいですね。

 子どもの中の罪悪感をフォローした後は大人自身への

精神的フォローも大切にして下さい。

とりあえず必ず子ども自身が感じている自分のせいと感じることや、

何かの罰だと感じている部分は誤解を解いてあげる必要があります。

大人になるまで自分を責めて苦しむことから

大人として責任をもって子どもを守ってあげて下さい。

次は大人として自分のことも責任を持っていたわってあげて下さいね。

子どもだけをフォローすればよいのではなく、大人である自分自身への

精神的なフォローも自殺によって大切な人に先立たれ、

遺された者にとっては大切なことだと思います。

まして子どもへの説明には大変な勇気が必要だと思いますので、

大人自身がサポートを得たり自分をいたわっていることは大切だと思います。






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著書の内容はここまでです。








ご家族や周りの大人が、子どもに対して出来ることとして

とても具体的に書かれていますね。


ここで少し私自身の経験をシェア致しますね。

私は自死によって大切な人を三人亡くしています。

ひとりは私が高校生の時の同級生

ふたりは私が大人になってから身内を失っています。

自分がなにかしなかったから・・・または自分がなにかしたから・・・罰だ・・・

という罪悪感や葛藤を無自覚ながら感じていたひとりです。


泣くことは弱い人間のすることだと強く思って生きていましたので

「流すべき涙」や「悲しむべき悲しみ」は我慢しました。

我慢した、というよりは自分の中から出てくる感情をどう表現したらいいのか

分からなかった・・・自分の感情を感じてもよいという事を知らなかったのです。

また、一体なにが起こっているのか自分でもわかりそうもないので

訳が分からないままそのままうやむやにして生きていました。



また過去には私自身が強い自殺願望を持っていました。

幼少期から自分でもなんだかわからないけれど

「消えたい・いなくなりたい」と感じていた子どもでした。


もちろんセラピーやwsで扱い死にたい気持ちは全く起きなくなりました。

本当に間に合って良かった、と胸を撫で下ろす気持ちと共に

自分が死にたくなっていた理由がその場で自覚できましたので

こんな事で人が死んでたまるか、と世界中に叫びたい気持ちになりました。


子どもの頃に抱えていた自分でも説明のできない

「消えたい・いなくなりたい」という抑うつ感情を

誰か周りの信頼できる大人に言葉にできなかったとしても表現できていたら・・・

そしてそのまま受け止めてもらえていたら・・・

質の高い心理の専門家の所に連れて行ってもらえていたら・・・

強い自殺願望を持ち続ける必要も

28歳で突然パニック障害を発症する必要もなかったかもしれないと思います。

地元でセラピーを受けられる場を見付けまでに10年かかりましたので

服薬していても発作が続いた10年間はなにも感じないようにしていましたが

本当に苦しくて不安でした。




専門家としてお子さんのこころのケアの必要性を強く感じているのには

このような自身の経験が背景にあります。

お子さんのこころのケアには今後も力を入れていきたいと考えています。


まだこの地域にはあまり浸透していないのかもしれませんが

カウンセリングや心理療法の持つ可能性や

選択肢のひとつとして、広く知っていただきたいと感じながら

このお仕事を生涯かけてさせて頂こうと思っています。




リフレーム・カウンセリングルーム 平野 直美







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